I’mbesideyou 代表取締役社長 神谷渉三 氏人の個性は千差万別!テクノロジーを活かして人の幸せを増やしたい~技術と知財を武器に「唯一無二をみえる化する」をサービス化 | イノベーション創出のヒント JMA GARAGE

I’mbesideyou 代表取締役社長 神谷渉三 氏
人の個性は千差万別!
テクノロジーを活かして人の幸せを増やしたい
~技術と知財を武器に「唯一無二をみえる化する」をサービス化

J-TECH STARTUP認定企業の株式会社I’mbesideyou 代表取締役社長 神谷渉三氏にインタビューしました!

2020年6月に創業、国際特許を35件出願、シードラウンドで1.15億円の資金調達と、めまぐるしいスピードで事業展開を進めているのがI’mbesideyou。オンライン上のコミュニケーションを1人1人、AIでみえる化するサービスをおこなっています。
それを支えるのはマルチモーダルAIによる高い技術力。
しかしそれ以上にエネルギーになっているのが、「社会全体を学校にする」という大きなビジョンです。お互いがリスペクトしあう世界は必ず実現できる、その共感のつながりで未来をつくりたいという神谷さんに、詳しく話を伺いました。

一人一人の個性に寄り添った物差しを提供したい

――― 創業の背景を教えてください

今の事業アイデアを考えたのは、2020年のゴールデンウィークのことなんです。創業メンバーで話して、「これはいけるね」となって。それで6月に法人登記しました。

――― まさに「コロナネイティブ」の起業ですね

世界中でロックダウンが起きていた時期ですよね。だからこそ、この事業ができたらすごい、今こそ必要とされるサービスだと、みんなわくわくしたんです。僕らはNTTデータでキャリアを積んできたのですが、本当にこのタイミングでやるなら、スピード勝負だと思って起業しました。

――― 事業アイデアは何がきっかけなのでしょうか

もともとのきっかけは、自分の息子を通じて教育の構造的な問題を考えたときなんです。実は息子が小学校に入ったときに、元気をなくしてしまって……。突き詰めていくと、子どもが多様な価値観に日常的に触れる機会が必要だとなって、Nei-Kidという多様な大人と多感な子どもが交流できる教育プラットフォームを最初に立ち上げました。

――― 経済産業省の「始動」でシリコンバレー選抜メンバーに選ばれたものですね

そうですね。でも息子が高学年になると、また必要な教育が変わるんです。そこで次は、小中校生向けのオンライン起業家教育「TimeLeap Academy」を大学生起業家の仁禮彩香さんと一緒に立ち上げました。ただそういった活動の一方で、ずっと感じていたジレンマもありまして。どうしてもこういうプログラムは、限られた人にしか届けられないんですよね。

――― 確かに

しかも、そこで教育を受けた子が、その後「出る杭がうたれる」ことで才能を発揮できないことも多くあります。そうならないために、社会全体の物差しを変えたいと思うようになりました。テストの点数ではなく、一人一人の個性に寄り添った物差しを提供できないか。そう思って始めたのが、この会社です。

――― オンラインだからこそ可能に思われたと……

実はNei-Kidを立ち上げたときに、子どもを動画で撮影して、それで個性を明らかにできないかと挑戦していたんです。でも、走り回る子どもの状態が撮り切れなくて(笑)……頓挫していました。それが今回、みんながオンラインの同じフォーマットでコミュニケーションをするようになりましたよね。これならできると思ったんです。

突出した技術で実現したい世界を目指す

――― 技術的な特色はどんな点でしょうか

大きく3つポイントがあると思っています。まず1つめは、マルチモーダルAI技術……つまり、画像認識、音声解析等々の技術を組み合わせ、最適なアプローチをとれる点です。

――― 難易度が高そうですが

各分野の解析スペシャリストは多いですが、どの領域で何を解析するか組み合わせて考えていくには、全部理解していないとできない。私たちはもともとシステムインテグレータの会社にいて、世界中のAPIエコノミーの中で最適なものをつくりあげることに取り組んできたので、それができるのが強みだと思っています。

――― なるほど

2つめは、大規模なシステムアーキテクチャを実現できている点ですね。今私たちは、学習サービスを使っている生徒の動画を、すべて解析しています。毎月何万時間というボリュームを全部解析、しかも商用に耐えうるリーズナブルな価格でできるのですが、その裏に結構な技術を駆使しています。

――― まさに、技術力あってこそですね

3つめに、解析のフィロソフィーも特徴的だと思います。僕らは、個人ごとに相対変化をとって、その人にとっての意味を解析して出すことが中心です。たとえば普段からにこにこしている人とクールな人では、同じ表情でも意味が違う。世界中に77億の人がいるなら、77億通りの理解をするAIをつくりたいと考えています。

――― それが究極的に実現できると、どんな世界になるんでしょうか

世界中の人がちゃんと自分のことを理解できると、人と比較してねたむ・憎むというのがなくなっていくはずです。当社のビジョンは「社会全体を学校にする」なのですが、世界中の人がお互いを尊重して、すべての出会いが学びになる社会をつくるというのが、私たちが目指している状態なんです。

――― 本当に個が活きる世界というか……

他人と交流することで自分自身を知ることが、これまで教育の世界で行われてきたことだと思います。それをAIというテクノロジーに収めて、世界中すべての人が持てるようにしていきたい。しかもそれを、毎日寄り添っていけるようなエモーショナルな体験を備えてやっていこうとしています。

――― 個人の変化が見えてくるわけですね

予兆を見て予防医療にも使えますよ。すべて、個人単位で見ていく。国籍や年齢といったセグメンテーションをせずに、フォーカスする単位は個人だけです。個人を徹底的に解析し、ウェルビーイングを大学・研究機関と連携して突き詰めていって、個々人の幸せをつくりだすことに寄与していく。

――― 確かに最初から個々人に区分はないと……

セグメンテーションしたとたんに、一人一人の顔が見えなくなるんです。個人単位で見られるならマーケティングに活用できるという考え方もあると思いますが、僕らはそうした商用効果を追求するのではありません。あくまで一人一人のウェルビーイングだけを目標として進めています。

世界の人材が集結し、成長の原動力となる

――― 事業のステップとしては、様々な会社とのアライアンスでしょうか

そうですね。教育会社や自治体にこの仕組みを提供して、その先の方々に使って頂いています。教育から始めましたが、営業、ヘルスケア、HR領域と広がっておりまして。

――― 今はどんな段階でしょう

予定よりも前倒しで進んでいるんです(笑)。いろんなアライアンス相談も頂けて、かなり多くの領域で使われはじめています。

――― インドでも展開を始めていると聞きましたが……

はい。今、インド工科大学から4人インターンがきていますが、彼ら自身が使ってみて、他の学生たちにも広げながらフィードバックをもらって改善して……というところから広げていきます。インドは学生層が3.7億人もいるマーケットですからね! 日本とは違って教育は拡大産業領域です。

――― 確かに……人数を考えるとすごいですね

東南アジアへの展開、中国・清華大学との共同研究といった動きも広がっていまして、世界で1000億円規模は目指していきたいですね。

――― 事業拡大を支える組織づくりが大変そうにも思うのですが

それが、こんな狭い動画解析領域なのに、優秀な人が集中的にきてくれているというのが実感です。先ほどのインド工科大のメンバーや、バングラデシュのエンジニアなど、グローバルで適材適所が進んでいますね。またありがたいことに、トヨタ自動車からプロボノとして10名くらいが参画してくれまして。高いレベルの品質管理のあり方を勉強させてもらっています。

――― 多様なメンバーが参画しているんですね

知財戦略のエキスパートである中畑さんがCIPOで参加し、既に国際特許を35件出願済です。これを100件以上に増やして、知財と技術の両面で突出することを目指しています。そのうえで、OEM的にアライアンスパートナーの方と組んで、世界中に広げていくのが今の事業戦略ですね。

「誰かを幸せにする」が行動の基準

――― 創業から1年弱ですが、神谷さん自身の心境はどうですか

思っていたよりすごく早く進んでいる感じですね。最新鋭のモーターボートでいきなり走り出したようで(笑)。スピード勝負のビジネスなので、何ならもっと加速するくらいに思っていますが、ただ気をつけたいのはこの「船」が壊れないようにすることだと思っています。

――― これからの変化を見据えてですね

メンバーのメンタリティとしては、今はワクワクが牽引している。でももしもハードな波が来た時に、それを乗り越えられるかどうかは大きいですね。今のメンバーが健康で居続けて、5年10年とこのビジネスにコミットし続けていける状態であれば、絶対にこのままいけるだろうなと思っています。

――― 成長過程で変なことにならないようにというのが経営者の役割でもあると

健全に成長できるかという点では、真摯に目指す方向に向かい続けるのが絶対に必要だと思っています。このテクノロジーは、神にも悪魔にもなれるかもしれない。だから、人を幸せにすることに使い続けることが絶対に必要ですね。

――― まさにその点は気になったのですが、共通の倫理観を持つために気をつけられていることがあるのでしょうか

ちょうど今、バリューを定めているんです。その議論過程で僕自身も印象的だったんですけれど、最終的に残した言葉の中に、「Love(愛情)」があるんです。最初は「Truth(真実)」という別の言葉だったのですが、真実ならそれでよいのか? 仮に真実であっても、それが誰かを傷つけたり不幸にしたりするなら、それは違うという議論をしまして。それで、誰かを幸せにするためという動機から動こうと、「Love」にしました。

――― 印象に残るお話ですね

誰でも天才になれると思うんです。私たちの会社に、やさしい天才たちが集まって人を幸せにしていく。それを強く思っています。

――― その、「幸せにするための行動」は、アライアンスを組む上でも重視されているのかなと思いますが、どうでしょうか

まさにそうです。アライアンス対象の業界を絞った方がいいと言われることもあるのですが、僕としては「僕らのビジョンに共感してくれる方」という観点で絞っていきたい。ビジョンフィットするというコミュニティは成り立つと思っていて、理想形だとしても、愛情や幸せということをまだあきらめていない人達と未来をつくっていきたい。それが一番ワクワクすることだと思っています。

――― ありがとうございました。

J-TECH STARTUP」は、技術をビジネスのコアコンピタンスとした事業で、グローバルな成長が期待される国内の技術系ベンチャー企業を「J-TECH STARTUP」銘柄として選定する取り組みです。
TXアントレプレナーパートナーズ(TEP)による多様な支援や、国内外のネットワークの紹介を行い認定企業の成長をサポートし、国内のディープテックベンチャー企業を成長させるエコシステムの構築をめざしていきます。

JMA GARAGEお問い合わせ
JMA GARAGE最新情報
ご案内