コロナ後の深圳の最新状況について ~後編~ | イノベーション創出のヒント JMA GARAGE

コロナ後の深圳の最新状況について ~後編~

2020年もすでに半分が過ぎ去ってしまいました。この半年を振り返ると、新型コロナウイルス感染症の拡大で未曾有の危機に陥り、中国経済・世界経済に大きな打撃を与えました。しかし、中国政府は引き続き対外開放路線を進め、深圳市も開放拡大にとってプラスとなる政策と企業を支援する一連の措置を相次ぎ打ち出し、中国経済と世界経済の安定のために力強い支援を行われています。ここでは主に深圳市の最新の状況と取組みについてご紹介いたします。

~前編はこちら~

深圳企業の取り組み

今回の新型コロナウイルス感染症との戦いの中で、市独自の技術と産業の強みが明らかになりました。5G、人工知能、産業用インターネットは、感染拡大の防止と制御、生産と操業再開に広く活用されており、重要な役割を果たしています。

いくつかの例を挙げましょう。たとえば大手家電メーカーTCL傘下のインターネット企業「格創東智」(GETECH.CN)社は、企業のニーズに応えてバーチャル測定や設備のメンテナンス予測、エネルギーの最適化やディープランニングに基づいたマシンビジョン検査などの技術を組み込んだソリューションパッケージの提供により、企業の人材不足や日常管理の困難さなどの問題解決と企業活動のサポートに役立っています。またコロナ感染防止の一環として、導入された5Gの技術を利用し、高解像度カメラ6台を備えた「5Gパトロールロボット」は、体温測定、マスク着用の確認、顔認識など取得した全ての情報データは集中制御センターに送信され、リアルタイムで状況を確認し、感染者の検出、早期警告などの対策することが可能となりました。

ネットサービス大手のTencentや画像処理技術のスタートアップ企業「深圳雲天励飛技術」(インテリフュージョン)などの多数のテクノロジー企業は、5G、人工知能、クラウドコンピューティング、ビッグデータ及びその他の技術をフル活用し、従業員の健康管理、WEB会議、リモートオフィス並びにその他のシナリオ、APPアプリケーション、ツール・ソフトウェア、アプレットの起動に焦点を当て、クラウドプラットフォームサービス、その他の情報ソリューションを提供しました。

2016年に中国深圳で設立されたPudu Robotics Co. Ltd.(普渡科技)は、配送ロボットの研究開発、設計、製造、販売を専門とする国家認定ハイテク企業で、「Pudubot」には、マルチセンサー、ポジショニング、ナビゲーション技術が搭載されている。その主要製品である配送ロボットは、レストラン、ホテル、オフィスビル、病院、インターネットカフェ、カラオケなどで広く使用され、20か国以上、200を超える都市で販売されています。特に今回の感染対策に追われているなか、同社は全国の病院に配送ロボットを無料で提供しました。「Pudubot」に大容量のトレイが取り付けられているので、一度に多くの医薬品や食事、その他の必要品を患者に届けることができ、医療スタッフの負担軽減にもつながり、ウイルスの拡散回避に一役買って抗疫活働に貢献しました。

市制40周年を迎えている現在の深圳と今後の目標

現在深圳はすでにハイテクノロジー、文化クリエティブ、先進的物流と金融という四つの支柱産業やバイオ医薬、インターネット、新素材・新エネルギー、次世代情報技術、デジタル経済、バイオ医学、ハイエンド設備製造、グリーン低炭素、新素材、海洋経済という七大戦略的新興産業とライフヘルス、航空宇宙、ロボット、ウェアラブル端末、AI端末という5つの未来産業を中心とした産業構造を形成しています。

今年の5月に開催された中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)で定められた中国政府の経済目標は、産業のデジタル化を支える新型インフラ建設「新基建」です。

深圳市もここ数年、生産性を向上させるための産業改革とインターネット革命を融合したインダストリアル・インターネットの発展に力を入れています。2018年に「深圳産業インターネット発展するための行動計画(2018-2020)」とそれに対応する関連の施策を打ち出した。市工業・情報局は、資金支援の方向性と重点分野を最適化するため、 「深圳市産業インターネット特別支援計画運用細則」を公布し、産業インターネットを活用するプロジェクトの創出・プラットフォームの構築・サービスプロバイダの育成・サービスシステム構築など7つの支援分野を制定しました。

次世代通信網「5G」に関しては、2019年以降、深圳市が「5Gネットワークインフラストラクチャの完全なカバレッジを率先して実現する、5G産業の高品質な発展を促進するための若干措置」及びそれに関連する実施案を発表しました。2019年末時点で、深圳市は5G基地局数2.8万基以上を擁し、広東省全体の40%を占め、また設置した5Gアンテナ搭載した多機能「スマート ポール」数が2,289に達し、広東省全体の70%を占める。携帯電話5G向け料金プランの利用者数は290万人を超えます。今年の8月末までに5G基地局数を4.5万基に増やし、高品質の5Gネットワークの完全なカバレッジを実現する見込みです。現在、深圳では5G技術の活用は急速に進んでおり、交通、警察、都市管理、医療、教育などの行政関連分野での応用実証プロジェクトはすでに多くの成果を挙げられている。

また、昨年深圳市の人工知能(AI)産業の規模は260億人民元に達し、人工知能関連の企業数は630社を超えた。自動運転、セキュリティ、医療、金融、建築、スマート製造、スマート交通などの分野におけるAI技術レベルが向上され、設計開発から、製造、サービスなどまでのAI業界のサプライチェーン・エコシステムを構築された。2019年に市工業・情報局は「深圳市次世代人工知能発展のための行動計画(2019-2023年)」を公表し、2020年から2023までに段階的に、核心技術、スマート製品、産業用スマートアプリケーション、支援プラットフォーム、人材育成、インフラストラクチャーの7つ分野での開発目標を提案し、推進していく予定です。

以 上

文責・深圳市東京事務所

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