【魚眼 虫眼 鳥瞰】 「孤独」は、寿命にも生産性にも高リスク要因
月刊情報誌『JMAマネジメント』の連載記事の一部をご案内いたします。
世界的に「孤独」が社会問題化している。
2018年1月17日に、イギリス政府は「孤独担当相」というポストを新設した。
それに先立つ2017年10月には、ビベック・マーシー氏(アメリカ連邦政府前公衆衛生局長官)が、「孤独は深刻化する伝染病」との論文を発表している。
アメリカでの調査によれば、孤独やつながりの弱さは寿命を短くし、死亡リスクとしては、1日にタバコを15本吸うことに匹敵し、肥満の2倍の影響があるそうだ。さらに、心臓病や認知症にも大きく影響し、ストレスを引き起こすことがわかってきているという。
日本ではどう扱われているか。グローバル・コミュニケーションの専門家である岡本純子氏が、『世界一孤独な日本のオジサン』という新書(角川新書)を2018年3月に上梓している。岡本氏は、「特に日本の中高年者は、世界でも群を抜いて孤独度が高く、世界一寂しい人たちという結果が出ている」と指摘する。
日本の中高年の孤独率が特に高いのは、文化的背景や宗教観、慣習などが影響しているのだろう。孤独を解消しなければならないという機運が高まらないことを、岡本氏は心配する。
孤独という課題の拡大に歯止めをかけるために、組織力を重要視する日本企業の場合、企業が果たせる役割は多い。たとえば、ベテラン向けの「キャリアデザイン研修」などで「孤独の回避」について考えたり、OBやOGの連帯感を強化したりするなど、さまざまな対策が考えられる。さらに、こうした取り組み姿勢をいち早く発信することで、企業の非財務的評価も向上するだろう。
経営層やマネジメント層が率先して、「社会的つながりを生み育てられる職場」という認識を促すことが大切だ。良質な人間関係を構築するマネジメントをはじめ、それに適合した人事、オフィス環境、組織風土を育てることで、高い生産性を生み、企業業績にも貢献するからだ。
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