中国のOMOスーパーマーケット「盒馬鮮生(HEMA)」の最先端のユーザ体験〜オンラインとオフラインを分けるのは無意味だ〜 その3 | イノベーション創出のヒント JMA GARAGE
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中国のOMOスーパーマーケット
「盒馬鮮生(HEMA)」の最先端のユーザ体験
〜オンラインとオフラインを分けるのは無意味だ〜 その3

ポイント③ 行って楽しい!単なるスーパーの枠を超えた体験を提供できる店舗

ここまでを読んで、「アプリから買えるのであれば店舗に行かなくても良いのでは?」と思われる方もいらっしゃるのではないだろうか。
実際、盒馬はオンラインからの売上が各店舗6-8割と大部分を占める(店舗に来てアプリで買う人もこの数字に含まれることには注意)。

店舗に来る人は「近くに来たついでになんとなく寄ってみた」というのもあるだろう。
しかし同時に「わざわざ行きたくなる店舗」になっているという側面も大きい。

例えば、店舗に行くと、まず目に飛び込んでくるのは海鮮コーナーだ。
ここでは水槽に入っている新鮮な海鮮を、手で掴むか網ですくうかして取ることができる。(自分で取るのが心配であれば店員さんにも頼める)
その様子は、水族館のふれあいコーナーさながらである。

海鮮はその場で調理してもらうことも可能だ。調理の味付けも10種類ほどの中から選択できる。
調理されたものを食べられるよう広いフードコートもあり、週末の昼や夜は多くの人で賑わっている。できたての海鮮をビール片手にわいわい食べるのはなかなか楽しい。

また、フードコートの一角には様々な食べ物屋さん(調理ずみの食品を出すお店)が入っていたり、店舗によってはピザの自動販売機やフレッシュジュースの自販機があったりと、長い時間過ごしていても楽しい。
ほぼお目にかかることのない「青島ビールの生ビール」を飲むことができる店舗もある。

▲ 青島ビールの生ビールサーバー

また中国の店舗にはあまりない、試食コーナーがあったり、その場で調理をしている様子が見られるのも楽しい工夫だ。
今まで目を向けたことのなかった商品との偶然の出会いの創出と魅力づけは、アプリから買っている時には起こしにくい、リアル店舗の強みだ。
盒馬側にとっては「アプリから買えるが、わざわざ店舗に来てもらう」ことが意味を持つことになる。

また、先述の通り、都市部の意識が高い層は海鮮の新鮮さに敏感だ。
だからECで海鮮を買うのは勇気を要する。
でもここで間近で新鮮な海鮮を見て、また調理をその場でしてもらって食べ、良さを五感で確認できたら。
次からは最初は買うことを躊躇していた海鮮を買うかもしれない。特に生鮮食品の魅力づけはリアル店舗の強みが生きやすい部分だろう。

また食べ物の良さがアピールされるだけではない。リアル店舗では、お絵かきイベントなど、子供向けの催し物が行われていることもある。

となれば、もはやここはただのスーパーではない。
スーパー兼レストラン兼アミューズメント施設、とでも言えるだろうか。
ちょっとしたお出かけに、1人でもカップルでも友達とでも子供づれでも、単なるスーパーの枠を超えて「行ったら楽しい体験ができる場所」なのだ。

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Yoriko Takizawa

滝沢頼子(たきざわ よりこ)株式会社hoppin 代表取締役 CEO。 東京大学卒業後、株式会社ビービットに入社し、UXコンサルタントとして大企業を中心に多くの企業を支援。上海にも駐在。 その後、上海のデジタルマーケティング会社を経て、日本にてEdtech系スタートアップへ。2019年に、中国ビジネス視察ツアー・コンサルティング等を行う株式会社hoppinを立ち上げ。 2020/ 5/20 【見逃し配信】「デジタル最先端・中国の今 ~アフターコロナを探る~」

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