“アフターコロナ”のBCP/BCM この機会に危機管理対策を見直し、再成長戦略を組んで実効せよ | イノベーション創出のヒント JMA GARAGE

“アフターコロナ”のBCP/BCM
この機会に危機管理対策を見直し、再成長戦略を組んで実効せよ

取材先:
日本能率協会 BCP分野担当講師(株式会社レスキュープラス) 秋月雅史

BCP(事業継続計画:Business Continuity Planning)とは、自然災害、感染症、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭った時に、損害などのダメージを最小限に抑えて、中核ビジネスの継続や早期復旧を図るための計画です。その計画の中身には、平常時に行うべき活動、緊急時におけるビジネスの継続のための方法、手段などの取り決めが盛り込まれています。

今回の新型コロナウイルス蔓延におけるBCP/BCMの活用方法について、日本能率協会 BCP分野担当講師(株式会社レスキュープラス) 秋月雅史に聞きました。

Q 講師が“新型コロナ前”に実施されていた感染症対策のBCPついて教えてください。

2008年の新型インフルエンザ拡大前から、新型感染症対策としては以下の3つを策定してきました。

1.危機管理対策
継続的な情報収集・整理・判断、社内外へのリスクコミュニケーションの体制・仕組み

2.感染予防対策(レベルⅠ~Ⅲ)
事業運営の制限やPPEについて、対策のレベルを選択し、実行

3.事業継続計画(レベルⅠ~Ⅲ)
事業の縮退について、対策のレベルを選択し、実行

Q 今回の新型コロナを受けて“アフターコロナ”のあるべきBCP/BCMについて教えてください。

企業を取り巻くビジネス環境について確認すると、以下のような新しい局面を迎えています。
この環境を前提にしたBCP/BCMを考えていく必要があります。

1.「人が集められる」ことの価値をリスクが瞬間的に逆転する特異点の発生
 →事例:「3密を避ける」ため大規模コンサート・ライブハウス・居酒屋等が営業自粛
 →予測できない突発的タイミングで事業停止要請〜事業継続の方法論を確立する必要がある

2.致死性のある感染症が偏在(基礎疾患者・高齢者)
 →ワクチンと治療薬が無い状況がおよそ1年以上継続する中での社会生活の維持する必要がある

3.非集合営業・非対面営業・非対面サービス vs. 従前の対面サービス
 →集合なし・対面なし・訪問なしで行うサービスと、従前の対面サービスの混在・切り替えが必要になる

4.人事制度の大変更〜“働き方改革“が一気に進展
 →在宅勤務・ワークシェアリング・育児休暇・オフィス削減などの制度設計を早急に行う

5.各種クラウドサービスの伸展とセキュリティ需要
 →クラウド/セキュリティサービスの需要増に迅速に対応する

6.最低限2回x6週間の事業停止に耐える資金力
 →直接・間接金融の強化、非集合・非対面販売の方法論確立する必要がある

“アフターコロナ”でBCP/BCMとは?

Q “アフターコロナ”のビジネス環境に必要なBCP/BCMの戦略と対策について教えてください。

まず「事業継続計画:BCP」においては、「危機管理対策(初動)」の見直しに加え、「感染予防・感染拡大予防対策」について具体的に用意しておくことが必要でしょう。

次に「事業継続マネジメント:BCM」については、BCPが運用できていることを評価・報告する仕組みにすることが重要です。
そして、今回の新型コロナで重要になってきたのが「復興計画:BRP Business Recovery Plan」です。具体的には「出口戦略」と「再成長戦略」で、前者は「感染症対応に勝利なし」という意味で損害を最小化するための戦略です。後者は、再成長の戦略で「敗戦からの復興」焼け跡から再成長するための戦略です。(図参照)

「安全配慮義務」に着目せよ

Q  BCPに関係してくる「安全配慮義務」について教えてください。

BCPを作る際には、企業として従業員に対する「安全配慮義務」への対応が欠かせません。東日本大震災以降の安全配慮義務違反の凡例が激増した経緯があり、今回もしっかりと対応を考える必要があります。

労働契約の専門的な話になりますが、労働契約法第5条では「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することが出来るよう、必要な配慮をする」と定められています。ただし、企業にはどのような対応が必要かはこの法律には書かれてなく、裁判所が出した判例から、個々の対応を考えるしかありません。

たとえば、企業の対応として、感染症が広がっている状況で、「お客様から呼ばれた」「部下に出社してほしい」「部下を帰宅させたい」などさまざまな判断が必要ですが、その際、「安全配慮義務」を考慮する必要があります。

これは従業員各々への対応だけでなく、企業としての事業継続の判断においても考慮する必要があります。CSR(社会的責任)として社会の要請を応えて事業継続する際、「事業継続=設定したコンプライアンス目標の遵守継続」と考えておく必要がでてくるはずです。

事業継続の再成長計画までをBCMでマネジメント

Q “アフターコロナ”の「感染症対策BCP+BCM」について具体的に教えてください。

“新型コロナ対策”としては、最初に説明したように以下の標準的な対策を引き続きしっかり行う必要があります。

1.危機管理対策
2.感染予防対策(レベルⅠ~Ⅲ)
3.事業継続計画(レベルⅠ~Ⅲ)

これが、“アフターコロナ”では以下がの対策が重要になってきます。

4.復興〜再成長計画
 業績をV字回復させる対策を準備

5.管理 BCM Business Continuity Management
 BCP(計画・体制・訓練)の実効性を測定・評価、社員の知識・意識(BCP/健康/安全配慮義務)測定、実践度合いを評価

この機会に再成長戦略を組み、実効せよ

Q “アフターコロナ”BCP/BCMの策定・運用のポイントについて教えてください。

以下の4つが挙げられます。

1.BCPの計画・体制・訓練・安全配慮義務などの状況チェックと評価=BCM
 →「使えるBCP」になっているかをチェック・評価する基準と仕組みが必要

2.社員の健康意識・安全配慮意識の継続的チェックと評価=BCM
 →社員の健康管理のみならず”日常の感染症対策”を根付かせる意識変容支援
 →一朝一夕には変化しない社員の健康意識・安全意識のトラッキング
 →BCPを安全に実施するための安全配慮義務対応の体制整備と教育

3.非集合・非対面の営業/サービスへの転換=出口戦略
 →緊急事態宣言時の非集合・非対面で販売/サービスを行う代替案
 →その他、感染拡大からの損失を最小化する施策

4.販売減を乗り越えwith CORONAの環境で再成長=再成長戦略
 →新局面の需要を競合他社に先取りされないための新商品/新販路

この機会に、「出口戦略」と「再成長戦略」について具体的な行動計画を含んだ内容でしっかり描き、新型コロナの脅威から従業員と御社ビジネスを守るだけでなく、2つの戦略の実効を通してさらなる発展へとつなげてください。

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秋月 雅史

秋月 雅史
日本能率協会 BCP分野担当講師(株式会社レスキュープラス)
京都大学防災研究所と共同でCOP理論提唱・セミナー共同開催、BCP策定実績・セミナー開催多数。BCPを実践的にするための取り組みとして、安全配慮義務への対応をBCPの一環として組み込み、企業が無理なく安瀬配慮義務を達成するためのチェックリスト・初動マニュアルを提供している

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